エンルートから来春発売予定の農薬散布ドローンAC101を一足お先に体験してきました。
農薬散布ドローンといえば、DJIのMG-1以外の選択肢は無いという位、MG-1の性能とコストパフォーマンスが優れています。
そんな中で、新たに登場したAC101はどの様な機体だったのかをご紹介致します。

ユーザーの求める性能を具体化したAC101

AC101はどんな機体かといえば、液剤10リッターか粒剤10㎏を搭載する、農薬散布ドローンの中では一番商品が多い激戦区になります。
そんな中で、広い圃場ばかりに目を向けず、本当に農家の皆さんが欲しいと思う農薬散布ドローンをエンルートは作ってきました。

既存のドローンを大幅に上回る、飛行時間25分という飛行性能
国産ドローンでは断トツの飛行安定性の高さと、マイルドな操作感
小型軽量で片手で運べる作業性の高さ
FPVカメラとLEDライトという嬉しい機能

国内で流通しているドローン向けの農薬は、殆どが1haあたり8リッターの散布量となるため、殆どの機体が「1回あたり10分位の飛行で1ha散布が可能です」というフレーズで販売されています。
しかしながら、現場では多くのドローンが10分1バッテリーで1haの散布は難しいとの評価が上がっています(ただし、散布圃場の条件に左右される事が多いですが…)。
正直なところ、ドローンは「ドローンの飛ばし方や条件」をきちんと覚えないと、メーカーの散布面積は確保できないのが現状です。

では、AC101はどうでしょうか?
エンルートの新型AC101を解説していきたいと思います。

1バッテリーで25分の飛行が可能なAC101

小型軽量のエンルートAC101

AC101が最も優れているのは飛行時間にあります。

初心者がドローンを始めて困るのが「規定の面積を1個のバッテリーで散布できない。」ことです。
教習コースを飛んでいても、10aのコースでバッテリーを50%以上消費してしまったり、ライセンスを取得してからも「思ったように散布できない」という状況に陥る事があります。

特に国産メーカーや、低価格を謳ったカスタム系ドローンによくある事なのですが、思った以上に飛行時間が短く、インテリジェントバッテリーではない為、圃場でのバッテリー管理の煩雑さと相まって、作業停滞に拍車をかける原因になっています。

この点が「圃場ではMG-1しか、まともに使える機体がない」と言われてきた所以でもあります。

AC101のインテリジェントバッテリー

そんな中で、エンルートAC101は大容量のインテリジェントバッテリーを使用し、25分という飛行時間を達成しています。
DJIのMG-1が空荷の状態でホバリング17分程度(30%までの実測値)と比べると、さらに余裕があるのが分かります。
AC101であれば、実際の圃場で初心者でも1バッテリー1ha以上の散布を実現させる事が可能です。

飛行時間の長さは、運用における自由度の向上と、何よりも安全性の高さに繋がります。

ここにこだわるメーカーは今までありませんでした。

驚くほどの飛行安定性

エンルートAC101(2019農業WEEKにて)

正直なところ、今まで私は国産のドローンに、飛行性能では期待しておりませんでした。
とある国産メーカーさんには、会うたびに「安定感が全く足りない」と言い続けてきました。

しかしながらAC101は抜群の安定感を持っています。
ホバリングもピタッと止まります。
操作に対してもじわっと反応してきます。
余計な舵が入りにくいので、意識しなくても真っすぐ飛びます。

これは散布飛行においてはとても良いことで、長時間に渡って低い高度を神経を使って飛ばす上に、機体から細かい操作を要求されるのは、とても疲れます。
なので、クイックで神経質な動きをしないAC101は、本当に農薬散布飛行を理解した方がセッティングしたんだなと納得させられました。

今後は自動航行についても追加を検討中とのことです。

ドローンも用途に応じたセッティングをするのは当然のことで、AC101がこのまま正常進化を続けて、製品化してほしいと思います。

小型軽量で、かつ片手で運搬が可能なAC101

片手で持ち上げられる取手

AC101は現場で働く農家さんの声が多く反映されています。
その一つが「片手で軽トラから積み降ろしができる」という事にあります。
機体上部に取手が付いているので、片手でひょいっと持ち上げられます。

秋田の圃場は、まだまだ細かく入り組んだ場所が多いです。

一か所散布したら軽トラに載せて移動、また移動の繰り返しです。
産業用無人ヘリよりも軽量で扱いやすいとはいえ、やはり何度も移動を繰り返す作業は苦しいものです。

中でもAC101は、軽量でコンパクトなので、持ち運びで苦労することはありません。

安心のFPVカメラとLEDライト

センターにFPVカメラ・両サイドにLEDライト

意外とご要望が多いのがFPVカメラです。

私は、散布飛行中にFPVカメラを使用することはありませんが、FPVカメラをご希望のお客様は多いです。
※MG-1PにもFPVカメラがありますが、RTK基地局等とのセット販売のみとなります。

圃場の反対側を確認したいという要望にも応える事が可能になりました。
LEDライトは非常に明るいので、夜明け前の準備などでも活用できるそうです。

エンルートAC101は2020年春発売予定です

軽トラに載せてもこの余裕

エンルートAC101は2020年の春に発売予定です。
価格などはまだ未定ですが、発売までにもっと使いやすく改善してくるとの事でした。

2020年は、DJIのMG-1に加え、T20、エンルートのAC101と、様々な高性能ドローンが揃います。

弊社では、お客様の用途に合わせて、様々なご提案をさせて頂きますので、お気軽にお問合せ下さい。